2009年10月19日(月) |
|
採取したワタカラカサタケを覗いて遊んだ。持ち帰った標本を紙袋から出すと、綿くず状だった柄表面がカサ表面同様に繊維状となっていた(a)。つばの痕跡は全く残っていない。ヒダは上生〜離生で柄は中空(b)。胞子は狭い紡錘形でとても大きく(c)、偽アミロイド(d)。フロキシンで染めて遊んだ(e)。
ヒダの断面をみると側シスチジアはなく、ヒダ実質は類並列型(f)。縁シスチジアがあるように見えるが、どうもはっきりしない。そこで、スライドグラスにヒダを一枚寝かせて縁をみた。薄膜で棍棒状のシスチジアがある(g)。フロキシンで染めると明瞭となった(h)。
|
|
(a) |
(b) |
(c) |
(d) |
(e) |
(f) |
(g) |
(h) |
(i) |
(j) |
(k) |
(l) |
|
水をKOHに換え、押しつぶして縁シスチジア(i)と担子器(j)を確認した。担子器の基部にはクランプをもったものがある。カサ表皮は乱れた柵状で(k)、菌糸にはクランプがある(l)。1時間ほど放置したが切断面に色の変化はなく白色のままだった(b)。
なお、保育社図鑑には、(1) 胞子が偽アミロイドであること、(2) 縁シスチジアがあること、(3) 菌糸にクランプがあることの三点には触れていない。『北陸のきのこ図鑑』では縁シスチジアは「短棍棒形」とあり、ヒダは「傷つくと、赤褐色変」とある。
|
|