2009年11月10日(火) |
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多摩湖畔で採集したカニノツメは、胞子の他に担子器も再確認するつもりで幼菌も採取した。一般に腹菌類の担子器は成熟すると溶けて消失してしまうものが多い。だから、担子器を確認するためには、未成熟の若い個体を採取する必要がある。
今にも赤色部を出すばかりの幼菌を切ると、既に内部には腕ができていた(c)。さらに小さな類球形の卵を切ってみた(d)。グレバ(基本体)がかなり成熟している。こうなるともう担子器は見られないことが多い。そこで、さらに小さくてやや堅めの幼菌を切ってみた(e, f)。腕になる赤色部はまだ未完成で、グレバもできはじめたばかりだ。
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(a) |
(b) |
(c) |
(d) |
(e) |
(f) |
(g) |
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(h) |
(i) |
(j) |
(k) |
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最初に成熟した個体(a)のグレバから胞子をみた(g)。ついで、やや大きめの卵(d)のグレバをみると、胞子の配置から担子器があるようだが、透明でどうにもよくわからない(h)。今少しはっきりと担子器をみえるようにしたいと、最後に小さな卵(f)のグレバを覗いてみた(i〜k)。
担子器は透明で小柄(steriguma)はなく、8つの胞子が座生する。水やKOHだけで封入したのでは、担子器はとてもわかりにくい。そこで、フロキシンやらサフラニン、コンゴ−レッドなどを使ってみた。いずれも担子器本体を染めることはできなかった。
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