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相変わらずナラタケ類がよく出ている(a, b)。先日所沢航空記念公園やら多摩湖畔で採集したものには、ナラタケとキツブナラタケの両者が混じっていたようだ。食用に回さず残しておいた数個体を覗いてみた。胞子は非アミロイド。 ヒダ断面を切り出すと、[縁シスチジア] があるものとないないものの両者がある。ヒダ実質は、ヒダの中程では並列型だが(f)、ヒダの縁近くでは類散開型のものが目立った。ヒダを一枚スライドグラスに寝かせて縁をみると、束生する [縁シスチジア] がみえる(g)。KOHで組織をバラして、この [縁シスチジア] をみると薄膜棍棒状のものをベースにいろいろな形をしている(h, i)。 |
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担子器や偽担子器には、ベーサルクランプ(担子器の基部に見られるクランプ)のあるもの、ないもの両者が見られる(j, k)。カサ上表皮の組織は細い菌糸が匍匐している(l)。あえて [縁シスチジア] と表記したのにはワケがある。保育社図鑑ではナラタケ属について属や種の解説にシスチジアのことは一切触れていない。この点はかねてよりずっと疑問に思っていた。
池田「北陸のきのこ図鑑」にはナラタケ属の解説に「シスチジアまたは縁細胞を有するものがある」と記されている。そして、ナラタケの解説に「偽担子器 縁に棍棒形や嚢状のものときにあり」と記し、図の脇に「ch (縁シスチジア)」とある。キツブナラタケの解説ではシスチジアに言及してないが、図には「ch」としてシスチジアが掲載されている。ほかにもキヒダナラタケ(仮)に縁シスチジアと記し、クサミノナラタケ(仮)にシスチジアと記しシスチジアの図も掲載している。 |
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