2009年12月18日(木)
 
乾燥器の底に落ちたまま
 
 乾燥機の底をふと見ると,紙袋が落ちていた。開いてみると、しっかり乾燥してパリパリになったきのこが出てきた(a)。おそらく乾燥途中で袋ごと底におちて、何度も何度も熱乾燥させられたのだろう。梅雨の頃だったら黴びているはずだ。袋の番号から11月20日にさいたま市で採集したコザラミノシメジらしい(雑記2009.11.22)。格納前に念のためにチェックした。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
 よく乾燥していて、ちょっとヒダに触れると簡単に崩れてしまう(b)。とりあえず3%KOHで封入してヒダの縁をみると、それらしいシスチジアがある(c)。ヒダの横断面を切り出してみた。やはり生標本からのようなワケにはいかない(d)。ヒダ実質や側シスチジアの確認は問題ない(e, g)。胞子のアミロイド反応も間違いない(f)。カサ表皮はよくわからなかった(h)。
 博物館などの収蔵庫に出向いて、そこの標本と自分の手元標本とを比較することがある。古い標本の中には、カサやヒダがすっかり潰れて崩れていたり、部分的に粉状になってしまっているものもある。でも、たいていは胞子のアミロイド反応とかシスチジアの形はわかるものだ。

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