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昨日に引き続いて、胞子紋が明褐色のグループを覗いてみた。きのこの大部分はひどく汚れていて(a)、きれいなものは少なく小さかった(b)。ヒダの付き方は直生〜上生〜湾生とバラバラで、いずれも胞子の両端が尖っている。肉眼的にはヤケアトツムタケとの区別は困難だ。 昨日同様に、胞子をドライマウント(e)、水道水(f)で見たあと、ヒダの一枚をスライドグラスに寝かせて縁をみた。水道水では縁が非常に見にくいがシスチジアのあるらしいことがわかる(g)。フロキシンで染めて3%KOHで封入するとはっきりした(h)。 ヒダ横断面をみると、側シスチジアはない(i)。次いでヒダを押し潰すと、縁シスチジア(j)、担子器など(k)がわかる。カサ表皮に粘性物質の名残は見られず、表皮の構造はいまひとつはっきりしない(l)。菌糸にも担子器の基部にもクランプがある。 |
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昨日と今日観察したきのこは、両者とも現地ではヤケアトツムタケだろうと思った。持ち帰ってたまたま複数個体から胞子紋をとったところ、色に二通りのパターンがあった。そこで、簡易顕微鏡で胞子をみると両者の胞子の形は明らかに異なっていた。もし複数個体の胞子紋をとらなかったら、すべてをヤケアトツムタケとして処理していたことだろう。
今夜から車で、岡山県高梁市で行われる日本蘚苔類学会主催「2010年度コケフォーレ」にむけて出発。金欠病ゆえ飛行機や新幹線は利用できないので、毎度のことだが車で移動する。ゴールデンウイークは大渋滞が予測されているから先が思いやられる。 |
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