2010年9月27日(月)
 
主対属与奪 or 主属与対奪
 
 今月初め頃からラテン語を勉強し始めた。40年以上前に一度学んだことがあるが、その後ずっと触れる機会もなかったので、すっかり忘れている。格変化や動詞の活用、文体論をはじめ、ラテン語のことは何も記憶に残っていない。したがって、実質的にゼロからの学習だ。
 2009年3月27日の雑記でも書いたように、昔の教科書では格変化の配列は「主与奪」が標準だった(a)。ところが最近の教科書は「主奪」が主流となっている(b, c)。研究社「羅和辞典」の旧版(田中編:1952)では「主対属与奪」だが、新版(水谷編:2009)では「主属与対奪」に変更されている。「菌学ラテン語と命名法」では「主与奪」が採用されている(f)。
 入門書などには「主属与対奪」に基づいて語尾だけが羅列されたり(d)、語呂合わせ的覚え方までが記されている(e)。そこには第一変化名詞の語尾なら、「ア、アエ、アエ、アム、アー」とある。ところがこれは「主対属与奪」では「ア、アムアエ、アエ、アー」となる。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 困ったことに「しゅ、たいぞく、よ、だつ」と旧式の配置順を体が覚えていた。そこで教科書には有田潤著『初級ラテン語入門』(白水社 1964)を選んだ。「主対属与奪」である。記憶力は昔から人並み外れて悪かった。これがさらに老化で悪化している。目標は年内にこの教科書を習得することだが、手をつけてから既に4週間、学習の方は遅々として進まない。

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