|
|||||||||||||||||||
多摩湖畔の緑地で9月25日に落枝が地面と接する部位に発生していきのこを観察した。地上から発生していたのか、地中の材からでていたのかは確認しなかった。 カサと柄とはしっかりついていて簡単には分離しない。ヒダは赤紫色で胞子紋も同色。カサ表皮をルーペでみるときらきら輝いている。ヒダは離生〜湾生。柄は丈夫で表面には白粉をまとっている。シスチジアはない。ヒダ実質は類並列型。特別な臭いなどは感じられない。 |
|||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||
胞子は水道水でもKOHでも色に変化はない。濃硫酸では淡色透明になる。表面はほぼ平滑に見えるが、合焦位置によっては微細な粒点があるようにも見える。何となく発芽孔があるように感じる。菌糸にクランプはなく、担子器基部にもクランプはない。カサ表皮が興味深い。20〜40μmほどの球形の細胞が重なって層をなしている。 ヒダをスライドグラスに寝かせて縁をみると、シスチジアはなく球形の細胞が随所にみられた。球形細胞の出自がどこなのか不思議だったが、カサ表皮をみて納得した。柄の表面の白粉もカサ表皮と同様の球形細胞の集まりだった。カサの横断面を切ってみると、やや平行気味に走る菌糸の上に球形の細胞群が5〜6層に重なっている。この部分だけを剥がしてみると、球形細胞の膜になっていた。カサ表皮をルーペでみるときらきら輝いてみえるのは、この組織ゆえのものだったようだ。何科のきのこなのだろうか。モエギタケ科あたりに落ちるのか?
[2010.10.4 補足] |
|||||||||||||||||||
HOME |