2010年12月3日(金) |
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4〜5日前に公園の落ち葉の間から出ていた小さなきのこを持ち帰った(a)。落ち葉の下はウッドチップだ。隣接するカサには暗色の胞子紋がベッタリとついていた。ヒダは疎で、柄の基部には白色の菌糸がまとわりついていた(b, c)。数分間で胞子がたっぷり落ちた。ここまでは、採集したその日に行なったが、そのまま紙袋に入れて冷蔵庫に放置してあった。
紙袋を開けると、まだきのこは比較的きれいな姿を保っていた(d)。先日カバーグラスにとった胞子紋をそのまま覗いてみた。胞子は意外と大きく、どうやら発芽孔もあるようだ(e)。ヒダを一枚スライドグラスに寝かせて(f)、縁をみると薄膜で透明な縁シスチジアがまばらにある(g)。
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 (a) |
 (b) |
 (c) |
 (d) |
 (e) |
 (f) |
 (g) |
 (h) |
 (i) |
 (j) |
 (k) |
 (l) |
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ヒダを切り出してみたが(h)、縁をみてもあるはずのシスチジアが見えない。何枚か切り出しても結果は同じだった。ヒダ実質は太くて短い菌糸が何となく乱れて並ぶ(i)。側シスチジアはみつからない。改めてヒダの縁から小片をつまみ出して押しつぶしてみた。シスチジアは少ない(j)。担子器の基部にクランプはなさそうだ(k)。カサの表皮細胞は偽柔組織が数層にわたって積み重なったようにみえた。胞子紋の色などからナヨタケ属のキノコのようだが、種まで探索するのは面倒だ。このあと廃棄処分した。紙袋の内側には胞子紋が黒々と付着していた。
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