| 2011年6月13日(月) 
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| 鹿島市飯島緑地でカンゾウタケ探しをしていて見つけたきのこである(a)。1本しかないし暗いので撮影はやめた。1mほど離れたところにあったきのこも柄の根元が同じように膨らんでいる。かさの色はかなり違っていた。連れ合いに「小さいのもビロードツエタケに近いね」と言われた。 以前からツエタケの仲間を検鏡しようとねらっていた。しかもビロードツエタケらしいと言われ、ますます楽しみになった。やはり生態写真を撮らなかったことは悔やまれる。
 
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|  (a)
 |  (b)
 |  (c)
 |  (d)
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|  (e)
 |  (f)
 |  (g)
 |  (h)
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| 胞子は非アミロイド(b)、子実層托実質は錯綜型(c)。側シスチジアは便腹状・棒状・紡錘形で、頂部が頭状で厚膜のものが多い(d)。縁シスチジアはまれで側シスチジアと同じようなものがある。担子器は4胞子型、クランプを見つけることは出来なかった(e)。かさ上表皮は子実層状(f)、洋梨型や小嚢状の細胞で褐色の色素を含む(g)。そして、黄褐色の厚膜の剛毛が大小沢山ある。柄にも同じような剛毛がある(h)。 これらの特徴からスイスの菌類図鑑のXerula pudensに非常に近いのではと思われた。この仲間は現在タマバリタケ科ビロードツエタケ属となっている。一緒に採取した小型のきのこはかさの色が違うだけで、顕微鏡下では違いは見られなかった。 (Y. A.)
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