2011年9月29日(木) |
|
南会津で採取したネッタイベニヒガサには変種ないし品種レベルの差があると思える子実体もあった(a〜d)。他の子実体群とは少し離れた場所で採取したもので、肉眼的には、やや小振りで全体に色が黒っぽく、カサの鱗片がより顕著だった。
ミクロレベルでみると、胞子の形に若干の相異がある。胞子が楕円形というよりも、レモン形に近いものや両極がやや尖ったものなどが多く、Q比(縦横比)も少し違う(e)。担子器に大小があることは同様だが、両者の中間的サイズの担子器がよく目立つ(f)。
|
|
|
ここに取り上げたきのこも、先にネッタイベニヒガサとして取り上げたきのこも(雑記2011.9.26、同2011.9.27)、ともにオオミズゴケなどが群生する水路脇の笹藪に出ていたもので、周辺はブナの混じったコナラ、ミズナラが混生する広葉樹林だ。
|
[補足] 念のために両者のカサ表皮と胞子を列挙してみた。上段が多く群生していたネッタイベニヒガサ。下段がそこからやや離れた場所に少数まとまって出ていたもの。
|
|
(g) |
(h) |
(i) |
(j) |
(k) |
(g') |
(h') |
(i') |
(j') |
(k') |
|
こうやって並べてみると、その差異がわかりやすくなった。
|
|