2012年2月28日(火)
 
国道399号線経由高湯温泉へ
 
 転居からこの一ヶ月慌ただしい毎日が続いていた。さらに自宅借家周辺にはまだきのこがほとんどない。そこで福島市の高湯温泉で一晩のんびりすることにした。磐越道経由で行けば温泉宿まで2時間もかからないが、あえて一般国道を経由して行くことにした。
 国道399号線は川内村、葛尾村、浪江町、飯舘村を経て伊達市にいたるが、経由地はいずれも放射線量の高い地域で、住民の多くが非情にも避難を余儀なくさせられている。村や町の中は広範囲に警戒地域となり、いたるところで通行止めとなっている(a〜d)。飯舘村役場の建物はわずかに人影があるだけで、寒々としていた(e)。庭の線量計が何とも空しかった(f)。
 国道399号線はいわき市と伊達市を南北に結ぶ主要国道の一つだが、狭い山越えの道で、積雪と凍結のためか冬季は交通量も少ない。福島第一原発の事故以来、さらに通行量は少なくなっている。昨日も川内村まではわずかに何台かの車とすれ違ったが、そこから北では対向車にはほとんど出会わなかった。さらに人影がほとんどない集落をいくつも通過した。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
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(e)
(e)
(f)
(f)
 高湯温泉では珍しく老舗の大型ホテルに泊まったが、宿泊客の少なさに驚いた。景観や泉質は申し分なく、料理も従業員の対応もとても満足できるものだった。多くの宿が、宿泊費を下げたり、サービスや食事を充実させ、大変な営業努力を重ねている様子がよくわかる。しかし風評被害の影響は甚大で、団体客の激減は目を覆うばかりだった。
 帰宅すると庭のクロッカスが花を開き、梅は白い花をつけ、初春の訪れを感じさせられた。あと2〜3週間もすれば子嚢菌がいろいろ顔を見せてくれることだろう。

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