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いわき市新舞子浜のクロマツ防風林でフウセンタケ科らしい小さなきのこが出ていた。属までは推測できなかった。カサの径は15mmほどだろうか。カサの縁は白色で、柄の基部はやや膨らんでいた(a, b)。持ち帰って三日目、紙袋から取り出してみるとカサの縁の白色は消え、カサ全体が茶褐色になっていた(c)。この姿をみてアセタケ属に間違いなさそうだと思った。 胞子紋はまったく落ちなかったのでヒダの一部を押し潰した。胞子はごくわずかしかできていなかったが確認できた(d, e)。砂粒に邪魔されてヒダ切片の切り出しは難儀したが、縁にも側にも同じような形のシスチジアがある(f)。シスチジアは厚壁で先端にクリスタル状の結晶がつく(g, h)。 担子器の小柄(sterigma)は二つで、ベーサルクランプがある(i)。カサ表皮は平行気味に菌糸が走り(j)、柄の表面にも多様なシスチジアがある(k, l)。このミクロのすがたはどこかで見たことがある。そうだ、スナジアセタケのミクロの姿によく似ている。おそらくその幼菌なのだろう。 |
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