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自宅庭の馬糞堆からは常時5〜8種類のきのこが出ている。しかし最も多いのは旧ヒトヨタケ科の短命で脆いきのこだ。この仲間は成菌になるとヒダやカサ表皮の構造を確認することはほとんど不可能だ。シスチジアすら自ら産生する酵素で溶かしてしまう。 だから成菌を検鏡しても、得ることができるのは胞子に関する情報くらいしかない。つまり各組織の構造を知るには、カサをまったく開いていないつぼみ状態の子実体、つまり幼菌を切り出してみるしかない。つぼみを得るには前日夕方から夜に採取する必要がある。
ところが困ったことに、複数種の幼菌が平気で混在し、薄暗いうちに一気に生長し、日が昇り明るくなる頃にははやくも崩れはじめる。目印でもつけておかないとどの幼菌がどの成菌になったのか判別困難なケースがしばしばある。 |
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この幼菌のヒダはどこまでも同一幅で(g)、先端には透明な縁シスチジアが多数ある(h, i)、つっかえ棒のような役割を思わせる側シスチジアも多数ある(j)。カサ表皮は類球形の細胞が重なっているが、ヒダの頂部近くではやや厚く(k)、カサの縁付近ではとても薄い(l)。
以上の画像と記述は昨日夕方のもの。以下の画像と記述は今朝のものだ。
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今日の早朝am4:30に昨日番号をつけたきのこを見ると、すっかり大きくなってカサは溶け始めている(m)。雨でカサの崩れはより早まったようだ。同じ種でもカサ表皮の姿は色々だ(n)。 早朝は、カサがまだ完全には崩れていないので、カサ表皮中央部(o)やヒダ面(p)はルーペでみるとまだ整然としている。ルーペでみて光っているヒダの部分を、実体鏡でみると透明な側シスチジアだとわかる(q)。同じ部位を顕微鏡で見た(r)。 |
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