松原湖合宿で採取した二種のテングノメシガイ属 | |||||||||||||
先日の三重菌輪の会の松原湖合宿の折に何種類かのテングノメシガイ属を採取した。そのうちから、松原湖畔で採取した二種を比較してみた(a, a')。 この仲間の肉眼的な姿はどれもみなほとんど同じで、別種だと言われても「なぜ?」と言いたくなる。おまけに、姿の変異は激しく、大きさも形も千変万化だ。同一種といっても環境によって、ヘラ形やら虫ピン形にもなれば、地上高も1cmから5〜6cmまで変化する。これらのきのこの同定には、顕微鏡が欠かせない。剛毛の有無、胞子の隔壁の数、側糸先端の形という三要素の組み合わせで種を分けているようだ。剛毛があればTrichoglossum属、なければGeoglossum属。隔壁の数は七つかそれ以外で、側糸先端の形は概ね3〜4種類に分けられる。 今回採取したものは、胞子はいずれもほぼ同サイズで隔壁の数も両者とも七つ(b, b')。両者とも子実層には剛毛がない(c, c')。ともにGeoglossumだ。メルツァー試薬で子嚢先端は青色に変わる(e, f)。そうなると、比較すべきは側糸となる。先端が重要とされる。対物40倍でも側糸の形は異なってみえる(d, d')。油浸対物100倍で側糸を見ると、さらい違いが明瞭となる(f, f')。 上段と下段のきのこはどうやら別種らしい。人によって判断は異なるだろうが、上段のきのこはナナフシテングノハナヤスリ、下段のきのこはタマテングノメシガイとしておこう。 |
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自宅前の市道の斜め向かいの家の竹林にドクカラカサタケが出ている。8月にも菌輪を作ってでていたが、今回は雨でカサ表皮がかなり落とされていた(写真1、写真2、写真3)。 | |||||||||||||
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