三点のテングノメシガイを比べてみた | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
宇都宮市街地の都市公園で採取した三点のテングノメシガイを検鏡して比較してみた。各パーツ名下段の「×20」などは総合倍率、「対×40」などは対物レンズの倍率だ。 現地でルーペで覗いた時(b, b', b'')、(1)は剛毛がないかのように見えたが、子実層に埋没するように多数の剛毛があった(d)。そして剛毛は比較的短い。(2)の剛毛は子実層からやや突出しているが、長さは(1)のそれより若干長い程度だ。(3)は長い剛毛が子実層から大きく突出している(d'', e'')。(1)と(2)の胞子はサイズも隔壁の数(七つ)もほぼ同一で、側糸の形状も似通っている。それに対して、(3)の胞子は長く隔壁の数も十五あり、側糸先端の形状は(1)や(2)とはやや異なって見える(f'')。(1)〜(3)のいずれも剛毛があるからTrichoglossum属ということになる。 上記の観察からいえることは、(1)と(2)は同一種でナナフシテングノメシガイ(T. walteri)、(3)はテングノメシガイ(T. hirsutum)としてよさそうだ。 |
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大館一夫さんの近著『春夏秋冬 街のきのこ散歩』(八坂書房)は季節のきのこにちなんだ随筆からなる書だが、面白くきのこ初心者には非常に有用だ。ベテランが読んでも随所に「そうだったのか。そういうことなのだ」とあらためて再認識させられる内容が溢れている。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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