いかにも「〜らしくない」カワウソタケ | |||||||||||||
風邪が快方に向かい始めたので、昼近く暖かくなった頃を見計らって、三日ぶりに軽い散歩に出た。山を撮影するつもりで簡易コンパクトカメラだけを持って出た。 駅前の桜の老木に硬質菌が多数ついていた(a〜d)。いくつかをむしり取ってポケットにいれ持ち帰った。自宅であらためて撮影すると(e)、カサの縁が胞子にまみれたものがあった(f)。 孔口は2〜3個/1mmで(g)、カサ表面には微毛もみられる(h)。カサに付着した胞子は明褐色の楕円形だった(i)。子実層托の一部をみると一菌糸型に見えた(j)。あらためてカサ肉の一部をほぐしてみた(k)。褐色の菌糸は骨格菌糸のように見えるが、よく見れば隔壁を持っている(l)。どの菌糸にもクランプは見られない。やはりこれは一菌糸型のきのこのようだ。菌糸が茶褐色で一菌糸型、クランプはないとくればタバコウロコタケ科ということになる。となれば、どこかに剛毛体があるはずだと思ってさんざん探したが、結局剛毛体は見つからなかった。 カワウソタケに間違いなさそうだが、ちょっと見にはまるでカワウソタケらしくない。カワウソタケでは剛毛体をほとんど作らないものや、非常にわずかの剛毛体しか持たないものがあるという。胞子を見なかったら、カワウソタケとはわからなかったかも知れない。 |
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10月はある時期からきのこの発生がパタッと止まってしまった。雨不足が大きく影響したと思われる。地元の新聞にもそれを裏付ける記事が掲載されていた。 | |||||||||||||
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