ネンドタケとネンドタケモドキ | |||||||||||
ネンドタケやネンドタケモドキは低地から山間地まで、何処にでも見られるきのこだ。近くの都市公園でネンドタケ(a, b)とネンドタケモドキ(a', b')を採取した。時期の問題なのか、残念ながら両者ともに胞子はまったく見つからなかった。そこで、菌糸型と剛毛体だけを観察した。 それにしても菌糸をほぐすのに思いの外手こずった。子実層の部分とカサ肉の部分から、それぞれ別途に微小片を切り出してスライドグラス上のKOH液に載せ、実体鏡の下で先細ピンセットでほぐしてからカバーグラスをかけ、その上から消しゴムで擦ってさらにバラバラにした。 両者ともに菌糸の色は褐色で、原菌糸と骨格菌糸からなる二菌糸型(dimitic)、厚壁からなる槍の穂先のような形の剛毛体をもち、菌糸にクランプはない。これらはいずれもタバコウロコタケ科を特徴づけるもので、両者ともPhellinus(キコブタケ属)の硬質菌だ。ちなみに学名のPhellosはラテン語で「コルク」という意味で、ギリシア語の同一音をそのままラテン綴にしたもの。一方、-inuはラテン語の接尾辞で「〜のような』という意。 白色腐朽菌であればカサ肉に1-ナフトール・アルコール溶液を滴下すると濃紫色に変色するはずだ。キコブタケ属のきのこは白色腐朽菌なので、その確認をしようと1-ナフトール・アルコール溶液を滴下したが、芳しい反応は得られなかった。この呈色反応は新鮮なきのこでないと良い結果を得られないというが、それ以前に試薬が古くなっていたことが原因かもしれない。
[ネンドタケ] |
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[ネンドタケモドキ] |
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