2015年11月29日(日) |
ヤキフタケ Coriolus pubescens ? |
中禅寺湖畔で枯れた立木一面にびっしりと白色系のきのこがついていた(a, b)。紙袋に入れて持ち帰ったが、袋を明けてみると小さなウジ虫で一杯だった。子実層托に白い塊があるのは、虫が孔を明けたときのクズで菌糸の塊だ。きのこはすでに半ばミイラ化している。
きのこ自体は軽くて硬い木質で、孔口は3〜4個/1mm。何ヶ所かで断面を切ってみると、どこにでも虫がはいっていた(e)。菌糸構造は三菌糸型のようだ(f)。原菌糸にはクランプが有る(f, g)。よく見ると楕円形の胞子が随所に見られた(h)。胞子も菌糸も非アミロイドだ(i, j)。フロキシン・消しゴム法で菌糸をバラすと、結合菌糸は細かく砕けて短いものばかりになった。担子器、偽担子器、シスチジアのどれとも受け取れるようなものは見られるが、これがシスチジアであると確信を持てるものはなかった。ヤキフタケだろうか。
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(a) |
(b) |
(c) |
(d) |
(e) |
(f) |
(g) |
(h) |
(i) |
(j) |
(k) |
(l) |
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昨日は茨城大学の公開講座「植物を支える '菌根菌' のはたらきを探る」を受講してきた。講師は谷亀高広さんで面白い話をたっぷり聞かせてもらうことができた。菌根菌についての知識の整理にとっても非常に有用でありがたい内容だった。実習では小野義隆教授にも指導陣に加わっていただき、とても鮮やかな徒手切片作成の技を披露していただいた。小野教授の切り出した切片画像はそのまま菌根菌の教科書に載せられるような美しいものだった。
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昨夜はいわき市の友人宅で楽しい時を過ごし、今日の午前中にいわき市の白鳥飛来地や川内村近くまで脚を伸ばして、古殿町で味噌を買ってから帰宅した。
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