2015年12月20日() すっかり乾燥しきったモミジウロコタケ
 今の時期広葉樹の倒木や切り株にはカタウロコタケ属 Xylobolus のきのこがよく付いている。最もよくであうのはカタウロコタケの仲間だが、モミジウロコタケの群生にもよく出会う。このところ朝の散歩でカメラを持っていない時に限って典型的なモミジウロコタケに出会う。ここで取り上げたのは肉眼的には非典型的なモミジウロコタケだ(a, b)。
 既に発生からかなり時間が経過しているらしく、裏面を傷つけても赤色の汁は全くでない。菌糸構造は二菌糸型のようだ(d)。きのこの断面を切り出して子実層を見ると、大型の棍棒状の菌糸と汁管菌糸らしきものがあるが、いまひとつはっきりしない(e)。フロキシンで染めてKOHで封入してバラしてみたが、やはりよくわからない(f)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
[ギリシア語とラテン語の基礎を並列的に知る]
 小倉博行著『ラテン語とギリシア語を同時に学ぶ』(白水社)を購入した(g)。2012年のメルボルン規約(国際藻類・菌類・植物命名規約)で新種発表にラテン語記載は不可欠ではなくなった。だからといって生物学徒にラテン語の知識が不要になったわけではない。さらに菌類にかかわらず、学術用語の多くがラテン語由来だし、またその大部分がギリシャ語起源だ。
 この小冊子は二つの古典語の基礎を両者を併記しながら解説している。こういった書籍は海外にはあるが、日本語で書かれたものとしてはおそらく初めてだろう。著者のもくろみが成功したかどうかは読者次第と思われる。少なくとも自分にとっては役立つ一冊になりそうだ。
 
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