2016年1月28日(木) ミノタケ:カサの縁に硬い疎毛がある
 若いときと成菌、乾いている(a, b)ときと濡れているとき(c, d)で、ずいぶんと印象が異なるきのこだ。すっかり乾燥すると両者とも同じようになる(e)。カサ表面には剛毛のような毛が放射状にあり(e)、その先端がカサの縁近く(g)、あるいは縁そのもの(f)から飛び出している。子実層托の変異も大きく、管孔だったり薄歯状だったりする(h, i)。菌糸構造は三菌糸型で(k)、原菌糸にはクランプが豊富にある(l)。成菌がやや古くなると全体が茶褐色になり、一見するとタバコウロコタケ科のネンドタケのような色になる。でも菌糸は透明(白色)で、もちろん剛毛などはない。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 今頃つまり1月末から2月の始めは一年でも最も寒い季節だ。18日の降雪の後、顕微鏡室前の庭はまだ一面の雪、茶室横の斜面のツバキ樹下ではようやく雪が溶け始めた。
 ふだんの観察地や自宅周辺は未だに雪に被われている。硬質菌などは多くが雪の下になって見えないが、よしんば見えても近寄ることもままならない。手持ちの未観察硬質菌もそろそろ底をついてきた。雪のなくなった宇都宮市や鹿沼市方面に足を伸ばしてみようか。


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