先日散歩の途中で倒木についた白い小さなキノコが目に入った。カサ表面には短い微毛が密生し大きさが1.5〜2cmで(a, b)、中には背着生の子実体もあった(c)。帰宅して改めて撮影してから(d)少していねいに観察してみた。管孔は3〜4個/1mmで(e)、カサ肉は白色、菌糸構造は三菌糸型で原菌糸にはクランプがある。どうやらアラゲカワラタケの幼菌のようだ。
新鮮な子実体だったので現地で材とカサ肉にαナフトール・アルコール溶液を滴下してみたが変色しなかった。白色腐朽菌のはずなのに変だなぁと思って、帰宅後に小さな文字で書かれた試薬のラベルをみたら「11-8-9作成」とあり、昨年末に作ったαナフトール・アルコール溶液ではなかった。ただでさえ数週間〜1ヶ月と有効期間の短い試薬なので、何年も前のものでは期待するような反応は得られない。古くて劣化した試薬がなぜ混じっていたのか分からない。改めて試薬を作ろうと思ったが、肝心のαナフトール粉は昨年使い切って残っていなかった。
αナフトールは劇物でもなければ危険物でもない。だから簡単に入手できるものと思っていた。以前は亡くなった元高校生物教員の友人を通じて入手していた。そこでいくつかの薬品会社に照会したところ、どこも通信販売はやってくれず、さらに基本的に取引実績のない者への販売はしないという。そのうちの一つの薬品会社が代理店を紹介してくれた。先週その代理店に照会してみたが返事がない。困ったなぁ〜。さてどうしたものか・・・
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