2016年6月13日(月) コガサタケ属の異端児:コブミノコガサタケ
 都市公園の芝生の中に茶褐色のきのこが埋もれるように出ていた(a, b)。ヒダの柄へのつき方は上生ないし離生で(c, d)、ヒダの縁や柄の表面にはシスチジアが豊富にありそうだ(e, f)。
 胞子をみるとこぶだらけでアセタケ属を思わせる(g)。ヒダの切片を切り出してみると、縁に近い周辺にだけシスチジアが見られる(i)。倍率を上げてみるとこれらは縁シスチジアのようだが、この形はコガサタケ属を思わせる(i, j)。ヒダの付け根付近にも同じようなシスチジアが見られる(k)。
 フロキシンで染めてKOHで封入し軽く押しつぶしてみた。典型的なコガサタケ属のシスチジアがみえた(l)。カサ表皮は熱気球のような細胞が柵状に並ぶ(m, n)。柄の表皮には折れ曲がった棒状のシスチジアがある(o,p)。担子器に胞子が着いた状態のものをみて遊んだ(q, r)。
 このきのこ、柄が太く比較的しっかりしている。ちょっと見た目にはまるでコガサタケ属とは思えない。でもどうやらコブミノコガサタケらしい。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(m)
(m)
(n)
(n)
(o)
(o)
(p)
(p)
(q)
(q)
(r)
(r)
 昨夜から久しぶりに少しまとまった雨が降り始めた。今朝も雨、散歩はやめにした。


日( )
HOME