2016年7月17日() 土壌生のアラゲコベニチャワンタケの仲間
 奥日光の西ノ湖で採取したものである。そこは例年なら水面下のはずだが今年は水量が非常に少なく干上がってしまった場所である。しかもたかだか3m四方の狭い地表にアラゲコベニチャワンタケの仲間が群生していた。
 (a:a-1〜a-6)はもろに陽があたる場所、(b:b-1〜b-8)は倒木の陰にあった。色が違ってみえたので念のため別種として持ち帰った。当然同一種だろうと思いながら観察したところ、胞子の大きさ、形状、刻紋が明らかに違っていたのでびっくりした。
 (b)の縁毛をいつもの手順で観察開始すると、妙に先端が丸く、太い、倍率をあげて基部の観察をしようとしてまたまたびっくり! 変なものが見える。毛? どうも外層の細胞から出ている。縁毛としてよいのか、最外層の細胞なのかとも考えたが隔壁があるので毛と考えた。二股分岐だけではなくまるでヒトデのように腕を四方にのばしているものもある。
 土壌生、しかも柔らかい土の上で発生し泥まみれである。ていねいに泥の除去を試みたが泥を落とそうとするあまり組織までそぎ落としてしまった。
 そもそもアラゲコベニチャワンタケの仲間は材上生であって、地上生のものがこんなにあるなんて思ってもいなかった。すでにこの仲間の観察にはまって4年たち100地点以上で採取しているが、地上生のものに出会ったのは過去に2回だけである。こんな面白いものとの出会いがあると地上生にばかり目が行き材上生をのがしてしまいそうである。
 パソコン音痴の苦労は続く。新しい機械に変わってから環境が激変し、ため息と落ち込みの日々である。  (Y. A)
 
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 今日は先月に引き続いて宇都宮大学の学生さんが研修にやってくる。今回の修得目標はきのこのヒダとカサ表皮など目的に適った適切なプレパラートの作成と観察か。 (I. A.)


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