隣接して塊を作っていたけれど | |||||||||||||
朝の散歩道、途中の歩道脇の小砂利にポッコリとした塊をなしたコケがたくさんあった。少し色味の違う二つの塊を持ち帰った(上段、下段)。ルーペを使わずに肉眼だけで見ても、なんとなく違っているらしいことは分かった(a, a')。ルーペで見ると確かに両者は違うようだ(b, b')。 塊の中から数本ずつ取り出して比較してみた(c, c'; d, d')。(c)と(c')は乾燥状態のもの。(d)と(d')は湿った状態のものだ。それぞれの葉を一枚比較してみると、上段のコケは中肋が先端から突出し、葉の中央部の細胞は六角形をなしている(e, f)。一方、下段のコケは中肋は葉頂で止まっていて、葉の中央部の細胞は方形をしている(e', f')。 上段のコケはハリガネゴケ科のホソウリゴケ(Brachymenium exile)のようだ。下段のコケはまだよく観察していないが、葉身細胞にパピラやマミラが見当たらない。両者ともまだ「こけ雑記」の「観察覚書」には記録として載せてはいない。 |
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コケの葉は小さく、たいていは一細胞層からなっているせいか、横断面の切り出しがとても難しい。きのこならば、たいていの場合50〜80μmに切りだせばヒダの断面は簡単にプレパラートにできる。しかし、コケの場合は少なくとも20〜30μm以下に切りださないと断面のプレパラートはできない。昨日も上段のホソウリゴケの葉の断面切り出しには苦労した。 | |||||||||||||
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