庚申山:下山時落石の直撃で負傷 (2) | |
梅雨の時期の庚申山に登って、コウシンソウに逢えないのは何とも悲しい。今回がまさにそういう状態になってしまった。というのも、下山時にコウシンソウが群生する岩壁に行ってそこで鑑賞し撮影するつもりだったからだ。 落石の直撃で体が跳ばされたあと、不自由な体で30分ほどかけて何とか登山道に戻り、上方に向かって「誰だ? 石を落とした奴は?」と何度か怒鳴ったが、全く反応がなかった。自然落石にしては不自然なので、人ではなく獣の仕業かもしれない。
登山道に戻ってすぐに感じたことは、この体で果たして無事に庚申山荘まで下山することができるのだろうか、だった。山荘までは距離こそ短いが垂直に近い岩壁の厳しい径が続く。右腕がほとんど使えず、指は動くが全く力が入らない。両脚は打撲で何もせずとも痛い。少し歩くとこむら返りのような状態となり突っ張ってしまう。
一の鳥居までの行程も登りの倍以上時間がかかった。その後の林道歩きは地獄の苦しみだった。危険な岩場や振動の多い山道を降りて、ほっとしたことによって全身の痛みがより一層激しくなったようだ。車に戻っても運転席に腰掛けて30分ほど呆けていた。 今回の件で単独登山の危険性を痛感したが、仲間と一緒に歩いていたとしても、下山時の苦しみは変わらない。単独で歩くということはすべてが自己責任だ。安易にヘリコプターや救急車を要請すべきではないと思っている。這ってでも動ける限りは今後とも救急要請をするつもりはない。全く動けなければそのときは人生にバイバイだ。 |
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