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2017年3月24日(金) えっ、こんな時期にミヤマトンビマイ?
 昨日朝、例幣使街道の杉並木を散策していた時に(雑記2017.3.24)、スギの落葉の上に大型菌の断片が複数転がっていた(a, b)。丈夫で強い弾力性を持ち柔らかな硬質菌のようにみえた。すぐ近くの杉の老木の基部の洞から出ていたらしく、そこにキノコを引きちぎった跡が残っていた。そこに出ているキノコを見た人が引きちぎって近くに放り出したのだろう。
 子実層面は管孔状で(c, d)、カサ表皮や管孔部に濃硫酸をかけると暗紫色に変色した(e)。孔口と断面をルーペで見ると、以前どこかで見たことがあるような気がしたが、明確には思い出せなかった。そこで一部を持ち帰って顕微鏡で覗いてみた。
 最初に微小片をKOHで封入して押しつぶして胞子をみた(h, i)。この段階でBondarzewiaに間違いないと思い、次いでメルツァー試薬で封入してみた(j, k)。また、菌糸構造も確認した(l)。
 濃硫酸による呈色反応、胞子の表面模様、菌糸構造などから判断すると、これは間違いなくミヤマトンビマイだ。過去に杉の老木の周辺でミヤマトンビマイを何度もみているが、その時期は6月から8月に限られている(参照:キノコのフォトアルバム)。
 昨年発生したミヤマトンビマイがこの時期まで残っていることは考えにくい。また、組織はかなり新鮮に見えることから、おそらく今月発生したものだろう。それにしても、こんな寒い時期にこのキノコが発生するとは思ってもいなかった。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 キノコの発生時期や発生環境、さらには子実体のサイズなどについて、各種の図鑑にはいろいろ記されているが、現実にはそれらの記述とは全く異なった時期や状態で発生することは少しも珍しくない。そういった事例には過去に何度も遭遇している。でもねぇ〜。