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2017年4月7日(金) 今シーズン二度目のカサと柄をもったきのこ
 日光市今市地区の並木大橋下流の大谷川左岸は比較的最近手が入って、小さな桜並木が育ちつつある。この堤は全長2.5Kmほどだが、近くに適当な駐車スペースがないため、これまで一度もここを歩いたことがなかった。先日(4/5)初めてこの場所を散策してみた(a)。
 主目的はツクシンボウだったが良質のものはほとんどなかった。今年はツクシンボウ不作の年かもしれない。思いがけないことにキノコがでていた。じっくり眺めてみると、ある一帯に小さなカサをもったキノコがいくつもみられた(b〜f)。今年に入ってからカサと柄をもったハラタケ型のきのこに出会ったのは、3月のマツカサキノコモドキ以来のことだ(雑記2017.3.18)。川口市やいわき市に比べると、やはり日光市は寒いのだなぁと痛感している。
 柄をちょん切ってヒダをルーペで見ると縁シスチジアがあるようにみえる(g, h)。胞子紋をカバーグラスに取ってみた(i)。その胞子紋の一部を、まず対物40倍で(j)、次いで油浸対物100倍で覗いてみた(k)。楕円形で油球がひとつか二つある。メルツァー試薬で封入すると、ちょうど曇りガラス状となって内部がみえなくなった。いうまでもなく非アミロイドだ(l)。
 次いでヒダの断面を切り出した(m)、先端を見ると薄膜で波打ったような形の縁シスチジアがみえた(n)。ヒダを一枚スライドグラスに寝かせて(o)、縁をみると確かにシスチジアだらけ(p)。改めて、ヒダの縁あたりを一つまみ、フロキシンでそめてKOHで封入して押し潰してみた。油浸100倍で見ると大きな波打った棍棒上のシスチジアがみえた(q)。カサ表皮は菌糸が匍匐している(r)。クランプがあるがとても小さくて、油浸100倍にしないと分かりにくかった。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(m)
(m)
(n)
(n)
(o)
(o)
(p)
(p)
(q)
(q)
(r)
(r)
 発生環境、発生時期、肉眼的・顕微鏡的形態からチャムクエタケモドキなのだろう。ここ数日4月末から5月末といわれるような陽気が続いているから、ハラタケ型のきのこもいろいろ出始めるのかもしれない。これは観察記録ではなく "駄言駄菌" ゆえ、画像を冗長に掲載した。