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[標本番号:No.40   採集日:2006/11/25   採集地:茨城県、鹿島市]
[和名:トサカゴケ   学名:Lophocolea heterophylla]
 
2006年12月5日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 先月25日茨城県鹿島神宮の森で腐朽木から採取したコケの二番目のものを調べてみた。先に確認したツクシウロコゴケとよく似ているが、茎の長さも短く、全体にやや小振りである。仮根は腹葉の基部から出ていて、葉は瓦状で、広く開出している(a, b)。
 葉をよく見ると、方形〜台形〜舌形で、いずれも歯が二つある(b, c)。腹葉は左右に2裂し、各々は披針形で先端は鋭く尖っている(d)。茎の先端をみると、雌花のようなものがついている(e)。顕微鏡で見ても、どれが雌苞葉なのか等、よくわからなかった。
 葉身細胞はやや厚膜で、トリゴンはとても小さい(f)。油体はいまひとつはっきりしない。一度乾燥してしまったものを水で戻して観察したからかもしれない。ウロコゴケ科 Lohpocoleaceae のトサカゴケ Lophocolea heterophylla ではあるまいかと思う。