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[標本番号:No.720   採集日:2009/08/29   採集地:山梨県、甲府市]
[和名:クロゴケ   学名:Andreaea rupestris var. fauriei]
 
2009年9月24日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(a) 高山の岩上の植物体、(b, c) 植物体、(d) 裂開した朔、(e, f) 採集標本、(g) 葉[上]と雌苞葉[下]、(h) 葉、(i) 葉背面の乳頭、(j) 葉上部、(k) 葉中央下部、(l) 葉の基部

 先月末に奥秩父の金峰山に登ったおりに、山頂近く(alt 2600m)の岩についたクロゴケを採集した。高さ0.8〜1.5cmと小さいことや、ルーペで確認すると葉に中肋がないことから、ガッサンクロゴケではないことは明瞭だった。クロゴケについては、昨年夏に標本No.490で詳細に観察しているので、ここではわずかのコメントと画像を掲げるだけにした。
 葉背面の乳頭はとても大きく、葉横断面をみても、顕著に突出している(i, n)。下部の茎についた葉の下部横断面では背面の突起は不明瞭だった(m)。雌苞葉の背面には大形の乳頭は見られない(o, p)。
 
 
 
(m)
(m)
(n)
(n)
(o)
(o)
(p)
(p)
(q)
(q)
(r)
(r)
(s)
(s)
(t)
(t)
(u)
(u)
(v)
(v)
(w)
(w)
(x)
(x)
(m) 下部の葉横断面、(n) 上部の葉横断面、(o) 雌苞葉上部、(p) 雌苞葉下部、(q) 茎上部の横断面、(r) 茎中央部の横断面、(s) 朔、(t) 朔:乾燥時、(u) 朔:湿時、(v) 朔と偽足、(w) 朔の表皮、(x) 4胞子を収めた袋と胞子

 縦に四裂する朔は、乾燥している時だけ開き、湿ると閉じてしまう(s〜v)。朔の表面に気孔はない(w)。胞子は径20〜30μmほどだが、若い朔の内部では4つずつ、径55〜65μmほどの袋に入った状態で収まっている(x)。袋が割れてそこから4つの胞子が出てきているものもあった。