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[標本番号:No.752   採集日:2009/09/21   採集地:福島県、南会津町]
[和名:ムラサキミズゴケ   学名:Sphagnum magellanicum]
 
2009年11月11日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
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(d)
(d)
(e)
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(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(a) 植物体、(b) 標本、(c) 茎と枝、(d) 茎の表皮、(e) 茎の横断面、(f) 茎と茎葉、(g, h) 茎葉、(i) 茎葉上半、(j) 茎葉先端付近、(k) 茎葉中央、(l) 茎葉の横断面

 9月に採取したミズゴケの中にはムラサキミズゴケが何点も含まれていた。標本No.744は「たわごと (2009/11/8)」で少し取り上げたが、「観察覚書」には掲載せずに標本箱に収めてしまった。観察覚書でムラサキミズゴケを取り上げたのは2008年11月11日(標本No.526)のこと。1年ぶりとなるが、観察覚書に残すことにした。写真を主体にして文字による記述は最小限とした。

 このミズゴケは標高800m付近の湿原で、Galerina 属のきのこのホストとして採取したもの。ボテっとした姿で美しい赤紫色をし、いかにもムラサキミズゴケといった姿をしていた。同定にあたっては、枝の表皮と枝葉の横断面を最初に確認した。枝葉の横断面で葉緑細胞が背腹両面共に表には出ず、透明細胞に包まれるように中央に収まっていた(u〜w)。
 

 
 
(m)
(m)
(n)
(n)
(o)
(o)
(p)
(p)
(q)
(q)
(r)
(r)
(s)
(s)
(t)
(t)
(u)
(u)
(v)
(v)
(w)
(w)
(m) 枝の表皮、(n) 枝の横断面、(o, p) 枝葉:開出枝の葉、(q) 枝葉背面上部、(r) 枝葉背面中央、(s) 枝葉腹面上部、(t) 枝葉腹面中央、(u〜w) 枝葉の横断面

 葉の横断面での葉緑細胞の様子は、どの部分の枝葉でも同様なのか調べてみた。茎の下部から上部の枝で、枝先から枝基部にかけて、20枚ほどの葉で横断面をチェックしてみた。ほとんどの葉で、葉緑細胞は透明細胞に包まれるような形で中央に配置されていた。ごく一部に背腹いずれかの面に、葉緑細胞がわずかに表出するケースがみられた。一方、茎葉の横断面を見ると、葉緑細胞は三角形で背腹両面に開き、背側により広く開いている(l)。