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[標本番号:No.1188   採集日:2017/04/29   採集地:栃木県、矢板市]
[和名:スギバゴケ   学名:Lepidozia vitrea]
 
2017年7月1日(土)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(a, b) 植物体、(c) 半乾燥時、(d) 湿時、(e) 標本:湿時、(f) 高倍率ルーペにて、(g) 顕微鏡:低倍率、(h) 若い枝、(i) 葉、(j, k) 側葉と腹葉、(l) 茎の断面

 この苔類もクサリゴケ科の苔類と同じく4月29日に八方ヶ原(alt 1,300m)で採取したのだが、なかなか観察する機会が取れずに、すでに一ヶ月以上放置されていた。採取した数日後に油体だけは確認したが(k)、当初は観察覚書にアップするつもりがなかったので、対物40倍レンズでの撮影をしていない。そのため、油体の形や数をはっきり捉えた画像はない。
 少し標高の高い場所で採取したので、ハイスギバゴケ Lepidozia reptans かもしれないと思ったのだが、手に取ってルーペで見ると、どうやらスギバゴケ L. vitrea のようだった。そのため、観察覚書には載せずにそのまま標本箱行にするつもりだった。

 岩と腐葉土の混ざり合う場所に広く群生していた。枝先が鞭のように長く伸びた茎がよく目立った。茎は長さ3〜4cm、羽状に分枝し、枝からはさらに小枝が分枝する。葉は、若い茎では接在するが、成長した茎では離在し、斜めに茎や枝に着き、1/2ほどまで3〜4裂する。裂片は披針形から鋭角三角形で、基部の幅は2〜3細胞、裂片は5〜8細胞からなる。葉の細胞は厚壁でトリゴンは小さいかほとんどなく、平滑。腹葉は離在し3裂〜4裂する。茎や枝葉断面で表皮細胞がやや薄膜で大きく、内部の細胞は厚壁。
 観察結果は当初ルーペで見たときに感じたように、スギバゴケを示唆している。