クロコブタケと
 チャコブタケ

 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 早朝の自宅団地を20分ほど歩いてみると、カワラタケ、サルノコシカケなどの硬質菌に混じって、クロコブタケ(a)、チャコブタケ(d)がやけに目に付いた。ややミイラ化しはじめているが子嚢殼はまだしっかりしている。朝食をとりながら黒い塊状のきのこ2種を覗いて楽しんだ。
 クロコブタケを切断してみても内部に環紋はない(b)。一方チャコブタケの切断面には同心円状の環紋が見られる(e)。顕微鏡で覗いてみると両者ともに子嚢にはアミロイドのリングが見られる。表面は単調でつまらないきのこだが、ミクロの世界は意外と美しい。クロコブタケの胞子(c)に比べると、チャコブタケのそれ(f)はかなり大きい。写真は載せなかったが胞子には縦に顕著なスリットが見られる。
 身近にこれといったきのこがない時期でも、マメザヤタケはじめこれらXylariaceaeの仲間ならほぼ通年いつでも楽しむことができる。振り返ってみると、この両者はこれまでにも何度も取り上げていることに気がついた(雑記 2002/6/7同 2002/10/20同 2003/1/13)。顕微鏡は持っていても、この仲間の子嚢をみたことのある人はかなり少ないだろう。メルツァー液がなくともヨウ素入りのうがい薬で感動的なアミロイドリングがいつでも見られる(同 2002/12/22)。

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