2003年7月21日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 内房の浜で先日ナガエノホコリタケが多数発生しているのを確認したが(雑記 2003.07.17)、昨日早朝あらためて菌友のS氏と同所を訪れた。
 発生地は水際から20〜30メートルほどの位置にありコウボウムギとコマツヨイグサが疎に生えている。頭部を砂表に現している個体は7〜8個(a)あるが、その大部分は先日周囲の砂をどけておいたものだ。(a)の個体は先日孔口を開きはじめたばかりだったが既に形が崩れている。
 これはと思う場所を選んで(b)、表面の砂を少しずつどけていくとウサギの糞のような丸い形が見えてきた(c)。さらに砂をどけていくとケシボウズの柄がみえてきた(d)。ここから先は霧吹きを使って砂をどけた(e)。最終的には根状菌糸束を伴った個体が7〜8つ群れていた(f)。掘り出したものを紙の上に並べた(g, h)が、根状菌糸束は柄の基部ばかりか頭部からも出ている。
 あたりをつけた場所を掘っていくと次々にケシボウズが姿をあらわしてくるが、それらの大部分は長い柄を持っていた。担子器の姿を確認したいので幼菌を探した。柄ができていない幼菌は容易には見つからなかったが、なんとか探し当てた若い菌を並べてみた(h)。
 幼菌から成菌まで4つほどを半切した(i)。これらはいずれも孔口は開いていない。帰宅後、柄のまだほとんどできていない幼菌からグレバを取り出して覗いてみた。ところどころに担子器ではないかと思えるものがみえる(j)。これらは薄膜の菌糸(k)の側面から短い棒状のものが出てその先に4胞子をつけている。この菌糸は厚膜の偽弾糸(l)とは明らかに違っている。この薄膜の菌糸(k)や担子器はごく若い幼菌にしかみられない。成熟にともなって溶けてしまうようだ。
 なお外房の九十九里でも小型のケシボウズ(Tulostoma striatum)が新たに5〜6個発生しているのを確認した。そこから2kmほど離れた位置で昨年冬に発生を確認した大型のT. striatumは全く発生していなかった。付近にはドングリタケの新鮮な個体が4つほどみられた。

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