2004年7月9日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
 ヒダ切片などのプレパラートを作るには、可能な限り薄い切片を切り出す必要がある。しかし、ピスを使うにせよ徒手切片法はかなりの慣れが必要である。植物の葉などと違ってキノコの組織はピスで挟んだだけでもペシャンコになりかねない。わずかでも強くつまめばヒダは簡単に潰れてしまう。カミソリなどで切り出すに際し、押し切りは厳禁である。組織を壊さないためには、刺身を切るように手前に引きながら刃をあてることが必要だ(a)。
 しかし簡易ミクロトームを使えば比較的楽に切片を作ることができる。写真(b)は故池田和加男さんの製作した簡易ミクロトームである。ふだんはほとんど使わないが、これを適切に使用すると非常に簡単に15〜20μm厚の切片が切り出せる。聞くところによると、これと類似の円形簡易ミクロトームが数万円で市販されているという。もっと簡単には使い捨て注射器(2〜5cc用)の先端を切り落とせば(d)インスタントミクロトームに早変わりする(雑記2003.6.16)。
 ただし、これらを使う場合にはヘナヘナの両刃カミソリを使うとうまくいかない。硬くて薄い刃物を使うのがコツだ。たまに使う場合はヤスリを研いで作成した専用ナイフを使っている(c)。使い捨て注射器の場合は厚手の片刃カミソリやメスを使うのも一法だ(d)。

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