2006年7月5日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 今年4月16日(日)の菌懇会ゼミで折原貴道氏による「ジャガイモタケとOctaviania属の分類」を聞いた(雑記2006.4.18)。ところで、Ovtaviania属の胞子表面はごっつい刺(疣)で被われている。特に興味を引かれたのが、その刺(疣)が封入液によって伸長するという話であった。
 一度自分の目でも確認したいと思っていたが、肝心のジャガイモタケ属になかなかであうチャンスがなかった。つい先日、川越市でジャガイモタケ属を採取した。クヌギ・コナラの広葉樹林の地表に一部顔を出していた(a, b)。広葉樹林での採集は初めてだった。
 はじめに水(c, d)、次に5%KOH(e, f)で封入してみた。胞子表面部(c, e)と輪郭部(d, f)に合焦したものを並べてみたが、以降は輪郭部の写真だけで比較してみる。水と比較して5%KOHで封入したものでは、刺の長さが若干長くなっている(f)。見え方も鮮明である。
 乳酸に溶かしたコットンブルーで封入(g)、ラクトフェノールで封入(h)したものでは、刺の長さがかなり長くなっていることがわかる。一方、水で封入してフロキシンで染めると疣は逆に短くなってしまった(i)。この水をラクトフェノールで置き換えると、疣が大幅に伸長した(j)。
 ついでに、担子器の姿を確認してみた(k, l)。胞子が担子器の小柄と繋がっているのは、どうやら初期だけらしい。担子器から離脱した胞子は、単独で更に成長して大きくなるようだ。やがて担子器は溶けてしまい、成菌になると担子器は殆どみられなくなる。

日( )
HOME