2012年9月16日()
 
微疣とは言い難い胞子:カラスタケ
 
 先日放射線高線量地域の飯舘村で採取したカラスタケ(a, b)を覗いて遊んだ(雑記2012.9.8)。保育社の『原色日本新菌類図鑑』ではイボタケ科に配置してあるが、子実層側にシワはあってもイボはない(c)。乾燥すると強くなるという「ヒジキのにおい」はあまり感じられなかった。
 子実体は、熱を通すと真っ黒になり(d)、KOHでは暗緑色を帯びる。胞子もKOHで緑色を帯びる(e, f)。上掲書には「胞子はほぼ球形で,細かい疣をおび」とあるが、どうみても「微疣」とは言い難い。疣自体は確かに小さいが、胞子サイズからみると相対的にはかなり大きい(f)。
 子実層(g, h, i)は分かりにくく、担子器(j, k)は細長い。菌糸にはクランプがある(l)。きのこはしっかりして弾力性もあるが、骨格菌糸はなくmonomitic(一菌糸型)のようだ。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
[メモ] 今日は地区の運動会。あらかじめ配布されたプログラムには綱引きのメンバーとして名前が印刷されていた。今年は市議会議員選挙があったため日程が若干ずれたという。
 昨日のNHKテレビによれば、いわき市民の数は住民票上は激減しているが、市内居住者の数は2010年当時より10〜15%ほど増えているという。原発事故による避難者と原発関連の作業員、「除染」関連の作業員が多量に流入しているためらしい。確かに、スーパーマーケットも、道路も、病院もいつだって混雑している。こんなことは2010年まではなかったという。

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