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[標本番号:No.189 採集日:2007/04/27 採集地:埼玉県、川口市] [和名:フタバネゼニゴケ 学名:Marchantia paleacea ssp. diptera] | |||||||||||||||||||
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自宅団地の北側はやや薄暗く地肌が露出していて、ゼニゴケの仲間が何種類か見られる。ここ2週間ほど、やたらに緑色が目立つ(a)。近づくと雌器床が乱立して足の踏み場もない(b, c)。ネズミノオゴケとひしめき合いながら、無性芽器をつけている(d)。 葉状体の腹面をみると紫色の腹鱗片が並んでいる(e)。横断面を切り出した(f)。背側の表面には樽型の気室孔がある(g)。細胞には碁石のような形の油体が多数みられる(h)。プレパラートをライターで熱すると、油体はたちまち揮発してしまった(i)。有紋型の仮根を持つ(j)。 雌器托柄の断面を切り出した。ルーペでみても、同化系と溝のあることは分かるが(l)、顕微鏡でみると、気室孔(m)などもさらに明瞭にわかる(k)。この断面の緑色部分をみると、目視で柄を見たとき、片側だけが緑色をしているのが納得できる(c)。 雌器托はまだ充分成熟していなかった(o, p)。裂片のうち二つだけが大きい。コップのような形をして、縁に毛のある無性芽器には、鼓〜瓢箪のような形をした無性芽(r)が無造作に納められている(q)。フタバネゼニゴケ Marchantia paleacea ssp. diptera は生殖器をつけたときには、間違いそうなコケもないのでわかりやすい。 |
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