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[標本番号:No.304 採集日:2007/08/22 採集地:山梨県、鳴沢村] [和名:コバノスナゴケ 学名:Racomitrium barbuloides] | |||||||||||||
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富士山の奥庭周辺(標高2,100m)の腐葉土や岩の上に、エゾスナゴケ(No.143)に似た蘚類が丸いふっくらした群を作っていた(a〜c)。エゾスナゴケと違って、茎からは短い枝が多数ついている(c, d)。乾燥したとき、葉が茎に圧着せず軽く縮んで茎に近づく程度である(d)。 茎は長さ2〜3cm、ややずんぐりした印象で、直立する。葉は卵状披針形で、長さ1.5〜2.5mm、中肋が葉先に達し、先端の芒の部分は多数の乳頭に被われる。芒の部分は透明なものや、不透明なものがあり。長さも不均一である(e, f)。 葉身細胞は、葉中部では方形〜矩形で、長さ10〜20μm、不規則に波状に肥厚した細胞壁をもち、細胞壁の表面には多数の乳頭がある(g)、葉の下部に近づくと、葉縁には平滑で厚壁矩形の細胞が並び(h)、やがて葉基部の翼部にいたると、薄壁の矩形大型の細胞に続く(j)。基部の細胞は長く、表面は平滑である(i)。 葉の横断面をみると、葉縁は単一細胞層からなり、中肋はガイドセルばかりが目立ち、葉身細胞の両面には乳頭が見られる(k)。茎には中心束はなく、表皮細胞は、圧壁で凸凹した小さな細胞からなる(l)。葉の基部の横断面をみると、葉身細胞に乳頭はない。
シモフリゴケ属まではよいだろう。属の検索表をたどっていくと、図鑑によって別の種に落ちる。保育社の図鑑では、ハイスナゴケ Racomitrium canescens var. ericoides に落ちる。これは、最近の通説では、R. canescens の別種ではなく、R. ericoides として独立種とするようだ。 |
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