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[標本番号:No.373 採集日:2007/12/22 採集地:栃木県、佐野市] [和名:ヤマトヒラゴケ 学名:Homalia trichomanoides var. japonica] | |||||||||||||
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昨年12月佐野市の鍾乳洞で石灰岩上についていたリボンゴケを持ち帰った(a, b)。リボンゴケは一昨年12月に東京の鍾乳洞近くの石灰岩上で採取したものを観察している(標本No.65)。岩の表面をはう一次茎は細紐状で、その片側から長さ1〜3cmの二次茎をのばしていた(c)。枝の幅は葉を含めて3〜4mm、きわめて扁平に表2列、裏2列の計4列に葉をつける(d)。 葉は、枝の中程についたものが最も大きく、ついで枝基部の葉、枝先の葉と、順に小さくなり、長さ1.2〜2.4mm、乾いても縮れることなく、上部の縁に微歯があり、先端はわずかに尖る(e, f)。中肋は葉長の1/2を超えるあたりで消え、葉を不均等に分けている(e)。 葉身細胞は、葉先付近では長さ10〜15μm(f)、中央部で長さ25〜35μm(g)、いずれも菱形〜長い菱形であり、葉の基部では30〜40μm、長い矩形である(h)。葉の横断面をみると、中肋は2細胞層の厚みで、ステライドなどは見られない(i)。枝の表皮は厚壁の小さな細胞からなり、中心束は見られない。 図鑑によれば「朔柄は短く、苞葉内に隠れて見つけにくい」とされる。持ち帰った標本を実体鏡の下でみたが、朔をつけた個体は見つからなかった。
[修正と補足:2008.01.11]
[修正と補足:2010.01.12] |
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枝分かれの様子と葉を中心に再検討してみた。標本No.837も朔をつけた個体はなかったが、いわば状況証拠からリボンゴケとするのが妥当と判断した。使った形質は図鑑類から読み取れる以下の三つ。葉の大きさと形は、両者で類似している上に環境による変異が大きいので使わなかった。葉身細胞も両者で酷似しているのでこれも使わなかった。
多くの枝や鞭枝を持った個体の写真を掲げることは省略して、ここでは本標本の葉をいくつか列挙した(k〜p)。いずれも中肋は明瞭で、大部分は葉の中央部を越えている。なお、ここで取り上げた葉は、任意抽出した数個体から個別に取り外して集めたものだ。 |
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