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[標本番号:No.475 採集日:2008/07/19 採集地:岐阜県、高山市] [和名:ミヤマホラゴケモドキ 学名:Calypogeia integristipula] | |||||||||||||
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7月に岐阜県の安房平で採集したツキヌキゴケ科の苔類を観察した。標高1500m、針葉樹林の林床から岩上にかけて群生していた(a)。採取したものは今日まで、チャック付きポリ袋に入れたままずっと生かしておいた。昨日観察を始めると、小型のヤバネゴケ属の苔類が多量に混生していることがわかり、それを先に観察した(標本No.501)ので、本標本の観察は今日になった。 白緑色で葉は倒瓦状に密に重なり合い、不規則に分枝し、長さ1〜2cmの枝を出す(b)。葉は卵形で円頭、葉縁は全縁、長さ1mm前後、茎に斜めにつく。腹葉は小さく、円形〜楕円形で、葉頂は凹頭となり、葉縁は全縁、幅は茎径の2.5〜3倍、基部から多数の仮根がでる。 葉身細胞は、六角形で、長さ30〜50μm、トリゴンはなく、表面はほぼ平滑。葉の背縁の細胞も中央部の細胞も同じような形と大きさ。油体は各細胞に3〜6個、楕円形やらブドウの房状。写真は、背面からの姿(c)、腹面からの姿(d)、腹葉の様子(e)、一組の葉と腹葉を取り外したもの(f)、葉(g)とその葉身細胞(h)、腹葉(i)とその葉身細胞(j)、葉の横断面(k)、茎の横断面(l)。
枝は腹面からムチゴケ型分枝をしている(d)。また葉が倒瓦状に広く開出し、葉より小さな腹葉を持ち、仮根が腹葉の基部からでることなどから、ツキヌキゴケ科 Calypogeiaceae の苔類に間違いなさそうだ。花被やマルスピウムをつけた個体はなかったが、検索表からはツキヌキゴケ属 Calypogeia と思われる。 |
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