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[標本番号:No.469 採集日:2008/07/19 採集地:長野県、松本市] [和名:ミズシダゴケ 学名:Cratoneuron filicinum] | |||||||||||||
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7月19日長野県の白骨温泉で、標高1,400m付近の沢の支流の濡れた岩盤上に群生していた蘚類を観察した(a, b)。立ち上がった茎は長さ3〜6cm、多数の枝を不規則羽状に出し、乾燥しても葉は縮れない(c, d)。茎や枝の表面には、葉状の小さな毛葉が無数にみられる(d, j)。 茎葉は広卵形〜三角形で、長さ0.8〜1.2mm、葉面はわずかに凹み、先端が鋭く尖り、基部は広く茎に流下する。中肋は強く、葉頂に達する。葉縁には目立たない微細な歯がある。枝葉は、狭三角形〜卵形で、長さ0.3〜0.6mm、先端が鋭く尖り、中肋が葉頂に達する。 葉身細胞は、茎葉でも枝葉でもほとんど同様で、葉身部では丸味を帯びた狭い多角形〜楕円形で、長さ20〜35μm、幅5〜8μm、表面は平滑(g)。葉基部の流下する部分の細胞は、他とは顕著に分化し、大形薄膜で方形〜矩形(h)。葉の横断面で中肋にステライドはない(i)。 毛葉は狭三角形を主体とした葉状で、分枝することはほとんどなく、葉身細胞も茎葉や枝葉のものとほぼ類似する(j, k)。茎の横断面には明瞭な中心束があり、表皮はやや厚膜の小さな細胞からなる。朔をつけた個体はなかった。 ヤナギゴケ科 Amblystegiaceae シャグマゴケ属 Cratoneuron のミズシダゴケ C. filicinum だと思う。昨年5月に埼玉県秩父市で採集したミズシダゴケ(標本No.235)には朔をつけたものがあったが、今回は朔をつけた個体は見つからなかった。 |
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