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[標本番号:No.703 採集日:2009/08/02 採集地:福島県、福島市] [和名:ウロコミズゴケ 学名:Sphagnum squarrosum] | |||||||||||||
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7月31日に採集したミズゴケの同定と記録がようやく終わった。同じ福島県で8月2日に土湯峠近くの湿地・湿原で採集したミズゴケが4〜5点ほどある。ウロコミズゴケは過去にすでに6回も観察覚書にアップしている(標本No.620、No550、No.520、No.340、No.310、No.6)。 No.550では文字による記述を簡略化した。No.620では撮影した画像だけをアップし、「今後は(ウロコミズゴケを)取り上げることはないだろう」とも書いた。それにも関わらず、今回またアップしたにはそれなりの理由があるが、ここでは触れない。また詳細な記述は不要なので、No.620同様に観察結果の画像だけを掲げることにした。 |
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蘚苔類の観察をはじめた頃は、ミズゴケの観察では透明細胞表面の孔の様子が重要だということがわからず、検鏡にあたっては、もっぱら水で封入して観察していた(No.6)。やがて赤インクやサフラニンで染めて検鏡するようになった(No.340)。それでも、昨年夏頃までは、撮影は水で封入したものを主体とし、赤く染めたものはサブ的に扱っていた(No.520)。 透明細胞表面の糸や孔の状態は、赤インクやサフラニンで染めてみると、水だけで観察したものとは劇的に違っていた。それを痛感してからは、同定のためだけにミズゴケをチェックするときにも、サフラニンを滴下してから実体鏡を覗くようになった。 |
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サフラニンを使って観察する場合でも、濃度が薄すぎると具合が悪いことも最近よくわかる。かつては赤インクでも充分だと思っていたが、貫通する孔と偽孔との差異などを明瞭には捉えにくい。つまり、濃度の薄いサフラニンは赤インクと同様の結果を招く。 今日の観察覚書は題材にこそウロコミズゴケを使ったが、ミズゴケの透明細胞の膜壁や孔、糸などの詳細な観察には適切な濃度のサフラニン水溶液を使うことが重要であることの再確認となった。当初は径4cmほどの深底シャーレにサフラニン液を満たし、そこにミズゴケを放り込んで染色していた。このやり方だとサフラニンの汚れが激しく、しばしば溶液の作り直しが必要で、結果としてサフラニンの消耗量が多大となった。現在は画像(ab, ac)のように目薬容器を利用している。たっぷりと注いでも液の消耗量は圧倒的に少ない。 |
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