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[標本番号:No.0966 採集日:2010/06/06 採集地:栃木県、日光市] [和名:ヤマハイゴケ 学名:Hypnum subimponens ssp. ulophyllum] | |||||||||||||||||||
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6月6日に日光市の鶏頂山で採取した最後の蘚類を観察した。山道の途中、標高1440mあたりの岩と腐植土に黄緑色のマットを作っていた。茎ははい、やや羽状に分枝する。枝は葉を含めて幅1〜2mm。茎や枝の横断面に中心束はなく、表皮細胞は大形で薄膜。 茎葉は長さ1.1〜1.6mm、卵形の基部から細く長く披針形に伸び、上部は強く鎌形に曲がる。上部に目立ちにくい小さな歯がある。中肋はほとんど目立たないか、短いものが2本ある。葉身細胞は線形で長さ45〜80μm、幅3〜5μm、薄膜で平滑。翼部には方形で薄膜の褐色を帯びた細胞が少数ある。葉の先端は幅2〜3細胞で鋭く長い。枝葉は長さ0.8〜1.2mm、茎葉より幅が狭く、長卵形の基部から長く針状に伸びる。葉の上部に目立たない小さな歯がある。中肋は2本で短く、しばしば不明瞭。葉身細胞や、翼部、先端部の様子は、茎葉のそれとほぼ同じ。 ハイゴケ属 Hypnum の蘚類だろう。平凡社図鑑の検索表をたどると、ヤマハイゴケ Hypnum subimponens ssp. ulophyllum に落ちる。種の解説を読むと、茎葉の大きさと中肋の件が観察結果とは異なるが、他はほぼ符合する。なお、とりあえずヤマハイゴケとしたままの標本No.88をあらためて見当し直した結果、これはヒラハイゴケ H. erectiusculum とするのが適切と思われるので、「修正と補足」を加えて訂正した。 |
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