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[標本番号:No.0986 採集日:2010/08/21 採集地:山梨県、山梨市] [和名:チョウセンスナゴケ 学名:Racomitrium carinatum] | |||||||||||||||||||
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8月21日奥秩父の主稜線を歩いたときに、稜線の日当たりのよい場所で、岩についていた蘚類を観察した(alt 2500m)。若い朔と老熟した朔をつけていた。茎は長さ2〜4cm、わずかに分枝する。乾燥すると葉は茎に密着し、湿ると反り返るように葉を展開する。 葉は卵状披針形で、乾燥すると葉上部は竜骨状になって茎を包み込むようになる。葉は下部で背側に反曲し、葉縁は一細胞層で、全縁。中肋は先端近くに達するが、上部では不鮮明となる葉も多い。葉中央部の細胞は、矩形で厚角、長さ10〜25μm、幅4〜8μm、縦壁に沿って低い乳頭が複数ある。葉翼部には平滑な矩形の細胞があり、基部の縁には矩形の細胞列がある。 茎の横断面に中心束はない。苞葉は楕円状〜長卵状披針形で、長さ2〜3mm。内雌苞葉の葉身細胞は矩形でやや薄膜、表面は平滑だが、外雌苞葉の葉身細胞はやや厚壁で縦壁に沿って低い乳頭がある。苞葉の基部にはやや薄膜で矩形の細胞が並ぶ。 |
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朔柄は長さ6〜8mm。帽にヒダはない。朔は直立し相称。朔歯は一重で、16枚からなり、細い披針形で基部近くまで2〜3裂する。朔歯の表面は無数の乳頭に被われる。口環がある。朔の基部には気孔がある。胞子は球形で、径12〜20μm。
新鮮なよい状態の朔はなく、未成熟で球形に近い状態の朔と、既に蓋を失って胞子も大半は放出してしまった老熟した朔しか見あたらなかった。成熟した状態の蓋はなく、形は不明。口環は部分的に朔の縁にわずかに残っているものばかりで、全周を取り巻く状態は失われていた。 |
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