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[標本番号:No.1077 採集日:2010/10/24 採集地:新潟県、十日町] [和名:チョウチンハリガネゴケ 学名:Pohlia wahlenbergii] | |||||||||||||||||||
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新潟県十日町市のブナ林で、切り通しの遊歩道脇の湿った斜面で苔類の間から出ていた蘚類を観察した(alt 330m)。とても柔らかい感じで、茎は長さ2〜4cm、まばらに葉をつけ、乾湿であまり姿は変わらず、乾くとわずかに縮れ気味になる。無性芽をつけた個体は皆無ない。 葉は卵状披針形で、長さ1.5〜2.2mm、葉縁は平坦で、上部にはまばらに葉がある。葉は茎の上部では小さい。中肋は葉頂下で終わる。葉身細胞は長い六角形〜線形で、葉身中央で長さ100〜140μm、幅10〜16μm、葉先では長さ40〜60μmと短く、葉縁の細胞は幅が8〜12μと狭くなり、いずれも薄膜で平滑。葉の横断面で、中肋には背面側の中央部にわずかに弱いステライドがある。茎の横断面には中心柱があり、表皮細胞は小さく髄部の細胞よりやや厚膜。 朔をつけた個体はなかった。ヘチマゴケ属 Pohlia の蘚類だと思う。現地ではケヘチマゴケだろうと思ったが、ルーペでいくらみても無性芽が見られないので持ち帰ることになった。平凡社図鑑の検索表からは、該当する種にたどり着けなかったが、無性芽を持たない種について、説明を読んでいくと、チョウチンハリガネゴケ P. wahlenbergii 以外に該当種はなさそうだ。しかし、図鑑には「中肋は葉先よりかなり下に終わる」とある。そこでNoguchi(Part2)の当該種をみると、やはり「costa ceasing far below the leaf apex」となっている。ところが、図(p.445)には葉頂のすぐ下まで中肋が描かれている。さらに、本標本の葉をいろいろ見ると、中には中肋が葉頂からずっと下で終わるものがあった(q)。また葉の「基部の両翼は茎に下延し」とあるが、よくみると確かにわずかに下延している。先にチョウチンハリガネゴケとした標本No.357と比較するとよく似ていた。 |
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