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[標本番号:No.1108   採集日:2011/07/13   採集地:熊本県、五木村]
[和名:ヒメクジャクゴケ   学名:Hypopterygium japonicum]
 
2011年7月28日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(a, b) 植物体、(c) 乾燥時、(d) 湿時、(e) 背面、(f) 腹面、(g) 側葉と腹葉、(h) 側葉、(i) 側葉中央の葉身細胞、(j, k) 腹葉、(l) 腹葉中央の葉身細胞

 今日もまた引き続きクジャクゴケ属 Hypopterygium の蘚類を観察してみた。昨日アップしたヒメクジャクゴケ(標本 No.1103)とは全く別の場所で採取したもので、やはり石灰岩壁の至る所に小振りの群落を作っていた(alt 650m)。現地で枝の腹葉をルーペで見ると中肋が葉の中央付近までしかないものが目立ったので(k)、標本として持ち帰っていた。
 今朝改めて枝の腹葉をみると、同一の二次茎からでた枝において、腹葉の中肋が葉先に達しているものと、途中で切れているものの両者が混在していた。どちらかというと、中肋が葉先に達しているものの方が多い。葉身細胞の大きさは、側葉中央部では16〜21μm、腹葉中央付近では18〜25μmだった。
 このクジャクゴケ属蘚類も朔をつけたものはなく、枝が非常に密に出ているせいか、団扇状に広がった葉が厚みをもっていた。ちょっと見た目には標本No.1103とはかなり違った印象を受けた。しかし、この蘚類もヒメクジャクゴケ H. japonicum としてよさそうだ。