HOME | 観察覚書:INDEX | back |
[標本番号:No.1235 採集日:2018/04/20 採集地:栃木県、日光市] [和名:シダレヤスデゴケ 学名:Frullania tamarisci ssp. obscura] | |||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||
奥日光千手ケ原から小田代原に向かうハイブリッドバス路脇には暗褐色の苔類がマット状にびっしりと着いた樹木が多い(a)。たまたま目に着いたニス様にツヤのあるマットを採取した。乾燥状態では枝が縦横に絡み合っていて、そのまま枝ごとに分けようとすると簡単に崩れてしまう。水没させると、いくつもの別々の個体ごとに分けることができた。
茎は長さ4〜10cm、葉を含めた幅0.6〜1.1mm、倒伏し、数回羽状に分枝する。葉の背片は倒瓦状に重なり、卵型で全縁、背縁の基部は小耳状で、葉先がやや尖って内曲し、葉の基部から先端に向かって一列に10〜15個の眼点細胞が並ぶ。腹片は細長い楕円体から円筒形で、長さは幅の1.8〜2倍ほど、茎から離れ、茎とほぼ平行に着く。キールは極めて狭く8〜12細胞。
Frullania (ヤスデゴケ属)の苔類で、一列の眼点細胞を持っていることから、種は比較的楽に絞られる。保育社図鑑からはすぐにF. tamarisci ssp. obscura (シダレヤスデゴケ)に落ちる。平凡社図鑑では検索が詳細にわたり、特定種への絞り込みが難しいが、やはりシダレヤスデゴケ以外の種には該当しないように思える。 |
|||||||||||||||||||