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2017年4月30日() まんじゅうごけ?
 近くの里山で出会った人から「山菜も採るけれど、他人に頼まれてまんじゅうごけもとるんだ」と聞かされた。妙なコケの名まえが出てきたので「まんじゅうごけ? なんだいそりゃ?」と尋ねると、車から持ち出してきて「これがそうだ。コケ玉や盆栽に使うんだ。あそこの岸壁に出るんだ」と言って一株わけてくれた。こんもり盛り上がった姿はいかにも「まんじゅう」のようだ(a, b)。山の岩壁に出るものは真ん中がポッコリ膨らむので珍重されるのだという。
 手に取ってみるとルーペで見るまでもなく(c)、ホソバオキナゴケのようだ。この際、練習のつもりで葉の断面を切り出してみた(e)。中央にある小さな葉緑細胞が葉の表裏から大型の透明細胞にサンドイッチされている。透明細胞に空いた孔もよくわかる(f)。ホソバオキナゴケを手にとってみたのは、今年の2月12日以来のことだ(標本No.1153)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 ネットで調べてみると「まんじゅうごけ」と呼ばれているのは、ホソバオキナゴケばかりではなくアラハシラガゴケなどのシラガゴケ属の蘚類で株の中央がこんもりと盛り上がったものらしい。幅19cm奥行12.6cm高さ3cmほどのパック入りが、ひとパック400〜600円で販売されている。
 同サイズのパックでもハイゴケの中にコウヤノマンネングサを植え込んだものは1,000〜1,300円で販売されていることを知った。