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図鑑類によれば、(キ)サケツバタケにはクリソシスチジア(黄金シスチジア)があれるとされる。アンモニアやKOHなどのアルカリに反応して内容物が黄金色に変色するシスチジアだ。しかし、これまで一度もそういったシスチジアを持つサケツバタケにはであったことがない。埼玉でもキノコの会による採集会で過去に何度もサケツバタケが持ち込まれた。これらをいつもみてきたが、いずれにもクリソシスチジアはみられなかった。過去に自分で採取したサケツバタケについても同様である(雑記2003.5.18、雑記2002.10.2)。 さる11月28日にさいたま市見沼の公園で採取したものにもやはりクリソシスチジアはみあたらなかった。胞子やら全体的な姿、ツバ(a)等をみても、明らかに(キ)サケツバタケに見える。ヒダ切片を切り出し(b)、3%KOHでマウントしてみたがシスチジアの色に変化はなかった(c, d)。頂部に小突起のあるシスチジアはヒダの側にも縁にもある。アンモニアでマウントしてもシスチジアに変色はみられない(e)。変色するのは胞子の色ばかりである(f)。 ここ2年ばかりはサケツバタケに出会うと、今度こそと思いながらアルカリでマウントしてみるのだが、相変わらずクリソシスチジアはみられない。 |
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