2004年1月21日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 ナガエノホコリタケの幼菌を顕微鏡下で覗いてみると、胞子の他に2種類の菌糸が含まれている(a)。上部に厚壁を持った菌糸、中央部にゴチャゴチャした薄膜の菌糸が見えるが、全体にやや透明でとてもわかりづらい。これは対物40倍で見たものだ。
 最初にコットンブルーで染めてみた(b)。厚壁の菌糸も、薄膜の菌糸も最初殆ど染まらないが、長時間放置するといずれの菌糸もかなり青くなった。次にフロキシンで染めると菌糸の姿がさらに明瞭になった(c)。厚壁の方は内腔(lumen)にも液が浸透して色がついているが、菌糸そのものは全く染まらない。それに対して薄膜の菌糸はすっかり着色されている。
 次に対物レンズを油浸100倍にしてみた。コットンブルーでは厚壁の菌糸はわずかに青く染まるだけだが(d)、薄膜の菌糸はすっかり青くなっている(d, e)。コットンブルーは染色に時間がかかる。さらに長時間放置するか、ライターなどを用いて熱したら両者の菌糸はもっと青くなるだろう。フロキシンでは細胞の内容物が直ちに染まる(f)。
 今朝は久しぶりに乾燥標本から観察した。使ったのは昨年千葉県で採取したサンプルだ。

日( )